中学受験に必要な算数の基本テクニックを紹介しています。中学受験算数の独特な解法は、小学校では教わらない「裏技」的なものが多いので注意が必要です。
例題を使って、コツやポイントを押さえながら、なるべく丁寧な解説を心がけました。皆さまの理解の手助けとなれば嬉しいです。

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分数の基本をわかりやすく解説。「分数とは何か」を意識できれば超便利!

分数とは

分数とは、「1つの物を、何個に切ったうちの何個分」と表すことができる数字です。はじめのうちは、分数が出てくるたびに「何個に切ったうちの何個分」と頭の中で考えて、だいたいどれくらいの大きさの数なのか想像するようにしましょう。 実際に絵を書いて考えてもよいと思います。想像するものは、ケーキでもカステラでもうまい棒でも大丈夫です。

あまり注目されないのですが、分数を見た時に上のような絵を想像できるようになれば、分数はマスターしたも同然です。 「分数が苦手」と感じるのは、数字を見てもどれくらいの大きさなのかが分かっていないからです。まずは、このイメージを作る練習しましょう。
話は飛びますが、分数の上と下には名前がついていて、下の数字を分母、上の数字を分子といいます。


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分数の種類

分数には、3種類の分数があります。

  1. 分子の数が分母の数よりも小さい真分数
  2. 分子の数が分母の数と同じか、または大きい仮分数
  3. 整数と分数がくっついた帯分数

帯分数を仮分数に直す方法

まずは、1を分数で表すとどうなるのか考えてみましょう。

つまり、分母の数と分子の数が同じならば「1」になります。では、他の整数はどうなるでしょうか。

つまり、整数を分数に直すときは、「分子の数=分母の数×整数」になります。

(例題1)□に入る数字はいくつでしょう。

(1)1=
3

(2)3=
6

(3)15=
9

(1)1=
3

分母と分子が同じ数字だと、その分数は「1」になるので、

1=3
3

よって答えは

□=3

(2)3=
6

分子がいくつになるかを考えましょう。整数を分数に直すときは、「分子の数=分母の数×整数」なので、

分子の数=分母の数×整数
=6×3
=18

なので、

3=18
6

よって答えは

□=18

(3)15=
9

分子を求めましょう。

分子の数=分母の数×整数
=9×15
=135

なので、

15=135
9

よって答えは

□=135

それではいよいよ帯分数を仮分数に直してみます。ここまでが理解できていれば、あとはチョチョイのチョイのチョイです!
帯分数は、整数と分数がくっついていますが、整数の部分と分数の部分を分けて考えることができます。

なので、21=9となります。
44

まとめると、帯分数を仮分数に直すときは、「仮分数の分子の数=分母の数×整数の部分+帯分数のときの分子の数」になります。

(例題2)次の帯分数を仮分数にしましょう。

(1)11
5

(2)32
3

(3)1213
15

(1)11
5

分子がいくつになるのかを考えましょう。帯分数を仮分数に直すときは、「仮分数の分子の数=分母の数×整数の部分+帯分数のときの分子の数」なので、

仮分数の分子の数=分母の数×整数の部分+帯分数のときの分子の数
=5×1+1
=6

なので、

11=6
55

よって答えは

6
5

(2)32
3

分子を求めましょう。

仮分数の分子の数=分母の数×整数の部分+帯分数のときの分子の数
=3×3+2
=11

なので、

32=11
33

よって答えは

11
3

(3)1213
15

分子を求めましょう。

仮分数の分子の数=分母の数×整数の部分+帯分数のときの分子の数
=15×12+13
=193

なので、

1213=193
1515

よって答えは

193
15

仮分数を帯分数に直す方法

帯分数を仮分数に直すことができるのなら、逆は簡単です。同じように考えれば大丈夫です。

よって、9=21
44

はじめはちゃんとイメージをしながら考えてほしいのですが、実際に計算をするときには、「分子÷分母をして、答えが整数の部分、あまりが分子」と考えてしまいます。


(例題3)次の仮分数を帯分数にしましょう。

(1)9
7

(2)46
3

(3)6347
29

(1)9
7

分子÷分母をします。

9÷7=1あまり2

なので、

9=12
77

よって答えは

12
7

(2)46
3

分子÷分母をします。

46÷3=15あまり1

なので、

46=151
33

よって答えは

151
3

(3)6347
29

分子÷分母をします。

6347÷29=218あまり25

なので、

6347=21825
2929

よって答えは

21825
29

約分

分数には、「分母と分子に同じ数をかけ算しても、同じ数でわり算しても、大きさは変わらない」という性質があります。

特に、分母と分子を同じ数でわり算して、なるべく小さな数にすることを約分といいます。分数はできるだけ約分をするのがマナーです。 分数が出てきたら、いつでも「約分できるかな?」って考えるようにしましょう。

(例題4)次の分数を約分しましょう。

(1)3
6

(2)18
24

(3)63
108

(1)3
6

分母と分子を3で割ります。

3=1
62

よって答えは

1
2

(2)18
24

分母と分子を6で割ります。

18=3
244

今回ははじめから6でわり算をしましたが、2で割ってから、そのあとで3で割ってもかまいません。一度にやらずに、何回かに分けてわり算をしても大丈夫です。


よって答えは

3
4

(3)63
108

分母と分子を9で割ります。

63=7
10812

よって答えは

7
12

通分

「分母と分子に同じ数をかけ算しても、大きさは変わらない」性質を使って、2つ以上の分数の分母を同じ数にそろえることを通分といいます。 分母は、最小公倍数でそろえるようにします。

(例題5)次の分数を通分しましょう。

(1)1, 1
23

(2)3, 2
1015

(3)2, 1, 7
5612

(1)1, 1
23

分母は「2」と「3」なので、最小公倍数の「6」でそろえます。


よって答えは

3, 2
66

(2)3, 2
1015

分母は「10」と「15」なので、最小公倍数の「30」でそろえます。


よって答えは

9, 4
3030

(3)2, 1, 7
5612

分母は「5」と「6」と「12」なので、最小公倍数の「60」でそろえます。


よって答えは

24, 10, 35
606060

わり算と分数

分数は「分子÷分母」のわり算にすることができます。例えば、

8=8÷2=4
2

この法則を使えば、分数を小数に直すことが出来ます。

(例題6)次の分数を小数にしましょう。

(1)3
8

(2)12
5

(3)21
4

(1)3
8

分子÷分母を計算します。


よって答えは

0.375

(2)12
5

分子÷分母を計算します。


よって答えは

2.4

(3)21
4

整数の部分と分数の部分を分けて、分数の部分は分子÷分母を計算します。


よって答えは

2.25

まとめ
  1. 分数は「何個に切ったうちの何個分」と考えて、だいたいの大きさをイメージするようにする。
  2. 分母と分子に同じ数をかけたり、分母と分子を同じ数で割ってもよい。
  3. 分数は、出来る限り約分するように意識する。
  4. 分数は、「分子÷分母」のわり算にすることができる。
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