中学受験に必要な算数の基本テクニックを紹介しています。中学受験算数の独特な解法は、小学校では教わらない「裏技」的なものが多いので注意が必要です。
例題を使って、コツやポイントを押さえながら、なるべく丁寧な解説を心がけました。皆さまの理解の手助けとなれば嬉しいです。

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規則性③ 図形を並べる問題

図形を並べる問題

三角形や正方形などを、きまりにしたがって並べていく問題です。前のページの数字を並べる問題と同じように、四角く並べたり、段々に並べたり、ピラミッドの形に並べたりします。
図形の数だけでなく、周りの長さや面積を求めたりもします。

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図形を並べる問題の解き方

「ああ!図形は苦手だよ!」っていう人も安心してください。図形問題っぽさはあまりありません。あったとしても、出題パターン少ないので、完全パターン化ができます。あくまでも規則性の問題です。
どんなきまりで並んでいるのかに注目して考えてみましょう。

(例題1)

木の棒を使って、上の図のように三角形を作っていきます。


(1)N個の三角形を作るとき、木の棒は何本必要でしょう。

(2)2000個の三角形を作るとき、木の棒は何本必要でしょう。

(1)N個の三角形を作るとき、木の棒は何本必要でしょう。

最初の三角形だけは木の棒が3本必要なのですが、2個目の三角形からは、木の棒は2本しか必要ありません。

最初の三角形だけ「3本」なのがちょっと嫌ですね。規則性の問題は、なるべく単純な考え方をしたいので、ひとつだけ例外があるのは嫌がられます。 では、一番左はしの一本だけ仲間はずれにしてしまいましょう。そうすれば、全て2本ずつ必要ということになります。

この考え方で、三角形を作るのに必要な木の棒の本数を書いていくと、

1個: 1+2×1=3本
2個: 1+2×2=5本
3個: 1+2×3=7本
4個: 1+2×4=9本
5個: 1+2×5=11本
6個: 1+2×6=13本
7個: 1+2×7=15本
N個: 1+2×N

よって答えは

1+2×N(本)

(2)2000個の三角形を作るとき、木の棒は何本必要でしょう。

気合いを入れれば三角形2000個くらいは書き出していけますが、ここではもっとスマートに(かしこく)いきましょう。
先ほど、N個の三角形を作るのに「1+2×N(本)」の木の棒が必要だと分かりました。今回は2000個の三角形を作るので、Nを2000に取り替えて、

1+2×N
=1+2×2000
=4001

よって答えは

4001本

例題1の問題は、図形を並べる規則性の問題の中でも一二を争う有名問題です。ですが、かなり算数力を必要とする問題です。 どれだけ理論的に考えられるかを問う、良い問題です。
なお、規則性の問題はいろいろな考え方があるので、今回の解説とは全然違う考え方で解いても問題ありません。同じ解答にたどり着いたのならば大丈夫です。
全然違う道を通ったのに答えは同じになるっていうのは、算数の面白いところだと思います。

(例題2)

1辺の長さが1cmの正方形を、上の図のようなきまりにしたがって並べていきます。


(1)100段目まで並べるとき、並べた正方形は何個になるでしょう。

(2)100段目まで並べるとき、周りの長さは何cmになるでしょう。

(1)100段目まで並べるとき、並べた正方形は何個になるでしょう。

1段目は1個、2段目は「+2個」、3段目は「+3個」、4段目は「+4個」…といように増えていっています。
これを並べて書いてみると、

1段目: 1
2段目: 1+2=3個
3段目: 1+2+3=6個
4段目: 1+2+3+4=10個
5段目: 1+2+3+4+5=15個
6段目: 1+2+3+4+5+6=21個
100段目: 1+2+3+…+99+100

「1, 2, 3, 4, …, 100」というのは、初めの数が1、最後の数が100、項の数が100の等差数列です。(等差数列の解説はこちら
その和は、

(初めの数+最後の数)×項の数÷2
=(1+100)×100÷2
=5050

よって答えは

5050個

(2)100段目まで並べるとき、周りの長さは何cmになるでしょう。

まずは、どこの長さを求めるのか確認してみます。例として、3段目の図を使ってみます。。

求める長さは、上の図の水色の部分です。このままではちょっと見づらいので工夫してみます。例として、3段の図を使ってみます。

このように段々になっている部分の辺を移動させると、1辺が3cmの正方形になりました。なので、例として使った3段目まで並べたときの周りの長さは、

3cm×4=12cm

今回は100段目まで並べた時を考えるので、

100cm×4=400cm

よって答えは

400cm

このように、段々になっている部分を移動させるテクニックはよく使います。とても便利ですよ!

(例題3)

正方形を上の図のようなきまりにしたがって並べていきます。100段目まで並べるとき、並べた正方形は何個になるでしょう。

正方形はどのように増えているでしょうか。はじめは1個ですが、2段目は「+3」、3段目は「+5」、4段目は「+7」と増えていっています。すべて奇数ですね。 この規則にしたがって、6段目まで書き出してみますね。

1段: 1個
2段: 1+3=4個
3段: 1+3+5=9個
4段: 1+3+5+7=16個
5段: 1+3+5+7+9=25個
6段: 1+3+5+7+9+11=36個

このまま考えて「100段: 1+3+5…+199」と、等差数列の和を考えてもよいのですが、でもでもよく見てください。
「1, 4, 9, 16, 25, 36, …」。この数字の並びはアレですね!あの子たちです!同じ数を2回かけた数字ですね!
不思議な話なのですが、奇数を足していくと同じ数を2回かけた数字になります

これを利用すると、100段目まで並べた時の正方形の個数は、

100×100=10000

よって答えは

10000個

どうでしょう。「あ!この子は!」って思えましたか?(前のページ参照
それでは、図形を並べる規則性の問題をまとめます。

まとめ

図形を並べる規則性の問題を解く時は

  1. 図形や辺の長さが、どのような規則で増えていくのかを考える。
  2. 最初のいくつかは、実際に式を書いて求めてみる。
  3. 見つけたきまりを元に、式を作って計算する。

ここまでで規則性のお話はおしまいです。

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