中学受験に必要な算数の基本テクニックを紹介しています。中学受験算数の独特な解法は、小学校では教わらない「裏技」的なものが多いので注意が必要です。
例題を使って、コツやポイントを押さえながら、なるべく丁寧な解説を心がけました。皆さまの理解の手助けとなれば嬉しいです。

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相似の問題③ 影の長さを求める相似の問題の解き方

影の長さの問題

影の長さや影の主の高さを求める問題は、相似(主にトンガリの形)を使って解きます。(トンガリについてはこちら) 相似(特にトンガリ)をマスターしてから挑戦しましょう。出題パターンは主に2つです。
  1. 太陽の光による影
  2. 街灯やランプなどの光による影
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太陽の光による影の長さの問題の解き方

太陽の光の問題には、必ず基準となる影の長さが書いてあります。○mの棒の影の長さが□mみたいなやつです。 それをもとにして比例式を作ってあげれば、簡単に求められます。

(例題1)ある時刻に、身長1.5mのたかし君の影の長さが1mでした。同じ時刻に学校の校舎の影の長さを測ったら12mでした。 校舎の高さは何mでしょう。

一応、たかし君の図と学校の校舎の図を書いておきます。

たかし君

学校の校舎

校舎の高さはわからないので、aと置きました。
まずは、たかし君の身長とたかし君の影の比を出しましょう。

たかし君:たかし君の影=1.5:1
=15:10
=3:2

よって、たかし君の身長とたかし君の影の比は3:2です。
同じ時刻に測ったのなら、他の物も、影の主の高さと影の長さの比は3:2になります。 つまり、学校の校舎の高さと学校の校舎の影の長さの比も3:2です。これを使って比例式を作ると。

校舎の高さ:校舎の影の長さ=
a:12m=3:2
2×a=36
a=18
比例式の解き方

よって答えは

18m

この方法を使えば、普段高さを測れないいろいろな物の高さを測ることができます。電柱や木や家やマンションなんかです。
基準となる比は、自分や友達の身長でもいいですし、そこら辺に落ちている棒でも構いません。
何であれ、基準となる物の高さ:その影の長さを求めて、比例式を作ればokです。

街頭やランプなどの光による影の長さの問題の解き方

街灯やランプの光でできた影の長さは、太陽の光によってできた影と違って、基準となる比を作れません。 場所や街灯の高さによって影の長さが変わってしまうからです。 ですので街頭やランプ場合、図を書いてトンガリを探します
(例題2)高さ8mの街灯から6.5m離れた場所に、身長1.5mのたかし君が立っています。 たかし君の影の長さは何mでしょう。

まずは状況を図に書いてみます。

トンガリに慣れている人は、図を見た瞬間に「あ、ここにトンガリが。」って思うでしょう。 そのトンガリでも解けますが、補助線を1本引いて、別のトンガリを使ったほうが計算が楽です。

上の図の赤いトンガリの、三角形AFDと三角形ABCは相似です。相似比は、

AF:AB=6.5m:8m
=65:80
=13:16

この相似比を使って、BCの長さを求めるための比例式を作ると、

13:16=6.5:a
13×a=104
a=8

よって、BCの長さは8mです。たかし君の影の長さはECの部分なので、

8m-6.5m=1.5m

よって答えは

1.5m

今回使ったトンガリでなくても構いません。好きなトンガリを使って解きましょう。
それでは影の長さの基本をまとめます。

まとめ

影の長さの基本問題を解くときは、

  1. 太陽の光による影の長さを求める時は、基本の「影の主の高さ:影の長さ」を求めて、それをもとに比例式を作る。
  2. 街頭やランプなどの光による影の長さを求めるときは、図を書いてトンガリを探す。

次は、折れ曲がった影の長さを求めていきましょう。

影が折れ曲がっている

ここまでで影の長さの問題を解きましたが、どれも影は真っ直ぐでした。 ですが、影の問題では、影が途中で折れ曲がってしまっているものも多く出題されます。主な出題パターンは2つです。

  1. 影が壁に映っている
  2. 段差がある

影が壁に映っている問題の解き方

壁があるために、影が折れ曲がってしまっている問題です。 この場合、影の先から真横に補助線を引いて、トンガリを探すと求められます。(トンガリについてはこちら

(例題3)街灯から3m離れた所に、高さ6mの木が立っています。 この木の影が、木から6m離れた場所にある壁に映っています。壁に映った影の高さを測ると、2mでした。街灯の高さは何mでしょう。

まずは図にしてみます。

さっそく、影の先から真横に補助線を引いてみます。ついでに長さもいろいろ書き加えていきます。

図がゴチャゴチャしてしまいましたが、注目すべきトンガリを探してみましょう。

上の図の赤いトンガリは、三角形CDEと三角形CABが相似です。相似比を求めると、

CE:CB=6m:9m
=2:3

この相似比をもとに、ABの長さを求める比例式を作ると、

4m:a=2:3
2×a=12
a=6
比例式の解き方

よって、ABの長さは6mです。求めている街灯の高さはAFの部分なので、

6m+2m=8m

よって答えは

8m

一番最後に2mを足し忘れてミスをすることが多いです。ここまで出せて間違えてしまったら悔しいので、最後までしっかりと気を抜かずに求めましょう。

段差がある影の問題の解き方

段差で影が折れ曲がってしまっている問題です。 この場合、影の先から真横に補助線を引いて、トンガリを探すと求められます。(←さっきと同じ事言ってる)

(例題4)

街灯から5m離れた所に、高さ4mの木が立っています。 この木の影が上の図のようになっているとき、街灯の高さは何mでしょう。

段差で影が折れ曲がってしまっています。さっそく影の先から真横に補助線を引いてみましょう。

続いてトンガリを探します。

上の図の赤いトンガリは、三角形CDEと三角形CABが相似です。相似比を求めると、

CE:CB=10m:15m
=2:3

この相似比をもとに、ABの長さを求める比例式を作ると、

8m:a=2:3
2×a=24
a=12

よって、ABの長さは12mです。求めている街灯の高さはAFの部分なので、

12m-4m=8m

よって答えは

8m

一番最後に4mを引き忘れてミスをすることが多いです。ここまで出せて間違えてしまったら悔しいので、最後までしっかりと気を抜かずに求めましょう。(←さっきと同じ事言ってる)
と言うことで、壁に映っていても段差になっていても、影が折れ曲がっていたら補助線を引きましょうでした。
それでは、影が折れ曲がっている問題をまとめます。

まとめ

影が折れ曲がっている問題を解くときは、

  1. 影の先から、真横に補助線を引く。
  2. トンガリを探して比例式を作る。
  3. 最後まで気を抜かない。

次は長さの比だけではなく、面積の比や体積の比も考えてみましょう。

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