中学受験に必要な算数の基本テクニックを紹介しています。中学受験算数の独特な解法は、小学校では教わらない「裏技」的なものが多いので注意が必要です。
例題を使って、コツやポイントを押さえながら、なるべく丁寧な解説を心がけました。皆さまの理解の手助けとなれば嬉しいです。

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旅人算の練習問題① 基礎編

旅人算の基本問題

こちらは、旅人算の基本問題を載せているページです。
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(基本問題1)遅刻寸前のレイさんは、8時ぴったりに食パンをくわえながら家を出て、分速300mの速さで走って学校へ向かいます。 一方シンジくんも8時ぴったりに家を出て、分速250mで学校へ向かったところ、途中の曲がり角でレイさんとぶつかってしまいました。2人の家は1650m離れています。
2人が衝突して「あいたたた。」となったのは、何時何分でしょう。

2人はまったく逆向きに進んだわけではないのですが、逆向きに進んだと考えて大丈夫です。

レイは1分間に300m、シンジは1分間に250m進むので、2人合わせて1分間に550m進みます。
ふたりの間の道のりは1650mだったので、

1650m÷550m=3

出発してから3分で衝突するので答えは

8時3分

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(基本問題2)秒速250mのミサイルが、敵機からミサイル護衛艦「こんごう」へ向けて発射されました。 こんごうはその12秒後に、秒速1050mで進む迎撃ミサイルを発射して防衛に成功しました。敵機とこんごうとの間の距離は120kmでした。敵ミサイルを撃ち落としたのは、敵機がミサイルを発射してから何秒後でしょうか。

敵ミサイルと迎撃ミサイルは、逆向きに進んでいます。
まずは、こんごうが迎撃ミサイルを発射した瞬間の状況を考えましょう。この時点で敵ミサイルはすでに12秒間進んでいます。その道のりは、

秒速250m×12秒=3000m
=3km

この時点で、敵ミサイルと迎撃ミサイルの間の道のりは、

120km-3km=117km
=117000m

で、117000mだったことが分かります。

敵ミサイルは1秒間に250m、迎撃ミサイルは1秒間に1050m進むので、その合計は1300mです。よって、迎撃にかかる時間は、

117000m÷1300m=90

で、90秒だとわかります。最初の12秒もプラスして、

90秒+12秒=102秒

よって答えは

102秒

金剛デース!!(←これが言いたかった)

(基本問題3)お母さんが、小さな子供を連れて歩いていました。子供は突然秒速3mでかけ出しました。 お母さんは5秒後にそのことに気づき、秒速8mで追いかけます。お母さんが子供に追いつくのは、子供がかけ出してから何秒後でしょう。

お母さんと子供は同じ向きに進んでいます。 まずは、お母さんが走りだした時の状況を考えましょう。子供はすでに5秒間走っていますので、その間に進んだ道のりは、

秒速3m×5秒=15m

で、ふたりの間は15mであることがわかります。

お母さんは1秒間に8m、子供は1秒間に3m進むので、1秒間で縮まるふたりの道のりは5mです。なので、追いつくまでにかかる時間は、

15m÷5m=3

で、3秒だとわかります。お母さんが走りだすまでの5秒もプラスすると、

3秒+5秒=8秒

よって答えは

8秒

なお、お母さんの走る速さの秒速8mですが、この速さで50mのタイムを計ると6.25秒になります。
きっとこれは、子供の危険を察知した時のお母さんのパワーです。

(基本問題4)兄は分速90mで、歩いて学校へ向かいます。 妹は、机の上に置いたままの兄の忘れ物に気が付き、兄が出発した10分後に分速390mの全力疾走で追いかけます。 妹が兄に追いつくのは、兄が出発してから何分後でしょう。また、それは家から何mの地点でしょう。

兄と妹は同じ向きに進んでいます。 妹が家を出た時の状況を考えましょう。兄はすでに10分間歩いています。その間に進む道のりは、

分速90m×10分=900m

で、2人の間は900mであることがわかります。

兄は1分間で90m、妹は1分間で390m進むので、1分間で縮まるふたりの道のりは300mです。なので、追いつくまでにかかる時間は、

900m÷300m=3

で、3分だとわかります。妹が家を出るまでの10分間もプラスして、

3分+10分=13分

妹は分速390mで3分間走ったことになるので、その道のりは、

分速390m×3分=1170m

よって答えは

時間…13分
家からの道のり…1170m

(基本問題5)1周43890kmの軌道上で、2つの人工衛星がすぐ近くをすれ違いました。どちらも速さは秒速7.7kmです。 この2つの人工衛星が再び近くをすれ違うのは何分何秒後でしょう。

2つの人工衛星は逆向きに進んでいます。
どちらも1秒間で7.7km進むので、2つの人工衛星が1秒間に進んだ道のりの合計は、

7.7km+7.7km=15.4km

1周41580kmなので、再び出会うまでの時間は、

43890km÷15.4km=2850

で、2850秒です。単位を分に直すと、

2850秒÷60=47あまり30

よって答えは

47分30秒後

1周が43890kmになるのは、上空約300kmの地点です。これはスペースシャトルが飛んでいた高度に近いです。約90分で地球を1周してしまうんですね!

(基本問題6)1周2kmの池の周りを、美羽(みう)は分速200mの速さで走り、伸恵(のぶえ)は原付バイクで分速700mの速さで同じ方向へ回ります。 美羽が伸恵に追い抜かれるのは何分後でしょう。

ふたりは同じ向きに進んでいます。
美羽は1分間に200m、伸恵は1分間に700m進むので、その差は、

700m-200m=500m

これで、1分間で500mずつはなれていくことがわかります。伸恵が美羽を追い抜くには1周遅れ、つまり2km(2000m)はなさなくてはならないので、それにかかる時間は、

2000m÷500m=4

で、4分です

よって答えは

4分

なお、伸恵の原付バイクの速さ「分速700m」は、時速kmに直すと、

分速700m×60÷1000
=時速42km

です。原付バイクの制限速度は時速30kmです。法定速度は守りましょう。

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