中学受験に必要な算数の基本テクニックを紹介しています。中学受験算数の独特な解法は、小学校では教わらない「裏技」的なものが多いので注意が必要です。
例題を使って、コツやポイントを押さえながら、なるべく丁寧な解説を心がけました。皆さまの理解の手助けとなれば嬉しいです。

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数列の練習問題③ 応用編

数列の応用問題

こちらは、数列の応用問題を載せているページです。
数列の詳しい解説はこちら基本問題はこちら標準問題はこちらへどうぞ。

ポイント

等差数列の公式

  1. 第N項=初めの数+公差×(N-1)
  2. 第N項までの和=(初めの数+最後の数)×N÷2
(応用問題1)あるきまりにしたがって、整数が次のように並んでいます。

2, 3, 7, 14, 24, 37, ・・・


(1)47番目の数はいくつでしょう。

(2)100番目の数はいくつでしょう。

(1)47番目の数はいくつでしょう。

この数列は階差数列です。

上の図のように、次の項へはいくつ足しているだろうと考えたら、「1, 4, 7, 10, ・・・」と、初めの数が1、公差が3の等差数列が現れました。 これをもとにして、それぞれの項を求めていきます。まずは第1項から第4項までの求め方を考えてみましょう。

第1項=2
第2項=2+1=3
第3項=2+1+4=7
第3項=2+1+4+7=14
第4項=2+1+4+7+10=24

同じように考えると第47項は、

2+1+4+7+10+13+・・・

と、表すことができます。

初めの2だけは別ですが、その後の「1, 4, 7, 10,・・・」は等差数列ですので、公式を使って和を求めることができます。公式を使うためには、最後の数と、項の数を求めなければなりません。 「2, 3, 7, 14, 24, 37, ・・・」の数列の47番目の数を求めるので、「1, 4, 7, 10,・・・」の数列の項の数は46です。これは植木算の考え方で求められます。(植木算の解き方はこちら

それでは、「1, 4, 7, 10, ・・・」の数列の、46番目の数を求めます。

第N項=初めの数+公差×(N-1)
=1+3×(46-1)
=1+3×45
=1+135
=136

よって、最後の数は136です。それでは、「2, 3, 7, 14, 24, 37, ・・・」の数列の、47番目の数を求めます。

2+1+4+7+10+13+・・・+136
=2+(1+136)×46÷2
=2+137×46÷2
=2+3151
=3153

よって答えは

3153

(2)100番目の数はいくつでしょう。

100番目の数も同じように求めてみましょう!

まずは「1, 4, 7, 10,・・・」の方の数列の99番目の数を求めます。

第N項=初めの数+公差×(N-1)
=1+3×(99-1)
=1+3×98
=1+294
=295

それでは、「1, 4, 7, 10, ・・・」の数列の、100番目の数を求めます。

2+1+4+7+10+13+・・・+295
=2+(1+295)×99÷2
=2+296×99÷2
=2+14652
=14654

よって答えは

14654

ポイント

階差数列の問題は、2種類の数列が出てきます(3種類出てくることもあります)。 今、自分はどの数列のことを考えているのか、ゆっくり確認しながら求めていきましょう。

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(応用問題2)あるきまりにしたがって、整数が次のように並んでいます。

(1)第21群の5個目の数はいくつでしょう。

(2)1001は、第何群の何個目の数でしょう。

(3)第15群の数をすべて足すといくつになるでしょう。

(1)第21群の5個目の数はいくつでしょう。

このように、規則正しくグループに分けてある数列を群数列といいます。 群数列は、それぞれの群の最後の数が、初めから数えて第何項目になるのかを考えるとよいです。

これを式に表してみると、

第1群の最後=2項目
第2群の最後=2+3=5項目
第3群の最後=2+3+4=9項目
第○群の最後=2+3+4+5+・・・

つまり、第○群の最後の数が第何項なのかを求めるには、初めの数が2、公差が1の等差数列の和を求めればよいということがわかります。 さて、今回は第21群の5個目の数を求めるので、まずは第20群の最後の数が、初めから数えて何個目の数なのかを求めましょう。第20群にはいくつの数字が入っているでしょうか。
「第1群には2個」、「第2群には3個」、「第3群には4個」数字が入っていることから、「第20群には21個」数字が入っていることがわかります。 これらのことから第20群の最後の数は、初めから数えて何個目の数かというと、

2+3+4+・・・+21
=(2+21)×20÷2
=23×20÷2
=230

第20群の最後の数が、初めから数えて230個目の数ということがわかりました。 今回求める第21群の5個目の数は、初めから数えて「230個+5個」で、235個目にあたります。

それでは、初めから数えて235番目の数がいくつなのかを考えてみましょう。この数列は「1. 3. 5. 7. 9. ・・・」と、初めの数が1、公差が2の等差数列です。その第235項は、

第N項=初めの数+公差×(N-1)
=1+2×(235-1)
=1+2×234
=1+468
=469

よって答えは

469

(2)1001は、第何群の何個目の数でしょう。

1001が、初めから数えて何個目の数かを求めましょう。

初めの数+公差×(N-1)=第N項
1+2×(N-1)=1001
2×(N-1)=1001-1
2×(N-1)=1000
N-1=1000÷2
N-1=500
N=501 (□や文字を求める計算の解き方

ということで、1001は第501項目です。 先ほど、第20群の最後の数が第230項であることを求めました、第501項目はもう少し先になりそうです。試しに、第30群の最後の数が第何項目なのかを求めてみましょう。

第30群の最後=2+3+4+・・・+31
=(2+31)×30÷2
=33×30÷2
=495

ラッキー!良い数字が出ました。第30群の最後の数は第495項となるので、今求めようとしている第501項は、第31群の中にあります。では、第31群の何個目の数かというと、

501-495=6

より、6個目です。

よって答えは

第31群の6個目

(3)第15群の数をすべて足すといくつになるでしょう。

第15群には、16個の数が入っています。あとは、初めの数と最後の数が分かれば、等差数列の和の公式を使うことができます。まずは、第14群の最後の数と、第15群の最後の数を求めていきましょう。
第14群の最後の数は初めから数えて、

2+3+4+・・・+15
=(2+15)×14÷2
=17×14÷2
=119

第14群の最後の数が、初めから数えて119番目の項なので、第15群の初めの数は120番目であることがわかります。では120番目の数がいくつなのかを求めましょう。

1+2×(120-1)
=1+2×119
=1+238
=239

よって、第15群の初めの数は239です。続けて第15群の最後の数が、初めから数えて何番目の数かを求めます。

2+3+4+・・・+16
=(2+16)×15÷2
=18×15÷2
=135

つまり、第15群の最後の数は、初めから数えて135番目の数です。では、初めから数えて135番目の数がいくつなのかを求めましょう。

1+2×(135-1)
=1+2×134
=1+268
=269

よって、第15群の最後の数は269です。

まとめると、第15群は初めの数が239、最後の数が269で、16個の数字が入っています。その和は、

(239+269)×16÷2
=508×16÷2
=4064

よって答えは

4064

ポイント

群数列の問題では、大きく分けて2つのことを考えます。

  1. 第○群の最後の数は、初めから数えて何番目の数字か。
  2. 初めから数えて○番目の数字はいくつか。

自分が今どちらを考えているのか、しっかり意識しながら解きましょう。2つのことを同時に考えるとこんがらがってしまうので、必ず1つ1つ別々に考えましょう。

(応用問題3)あるきまりにしたがって、整数が次のように並んでいます。

1, 2, 3, 1, 2, 3, 1, ・・・
135791113

(1)分母が1563のとき、分子はいくつになるでしょう。

(2)1000番目の数はいくつでしょう。

(1)分母が1563のとき、分子はいくつになるでしょう。

分子が「1, 2, 3, 1, 2, 3, 1, 2, ・・・」と、規則正しく並んでいるので「1, 2, 3」を一組にしてグループに分けてしまいましょう。つまり、これは群数列です。

分母は「1, 3, 5, 7, 9, ・・・」と、初めの数が1、公差が2の等差数列になっています。分母が1563になるのは何番目の数か、公式を使って求めます。

初めの数+公差×(N-1)=第N項
1+2×(N-1)=1563
2×(N-1)=1563-1
2×(N-1)=1562
N-1=1562÷2
N-1=781
N=782
□や文字を求める計算の解き方

よって、分母が1563になるのは、782番目の数です。ひとつの群には3つの分数が入っているので、3で割ってみます。

782÷3=260あまり2

群が260個できて、分数が2つ余ります。つまり、分母が1563になる数は、第261群の2つ目の数です。よって分子は2。

よって答えは

2

(2)1000番目の数はいくつでしょう。

まずは、1000番目の数の分子を求めましょう。

1000÷3=333あまり1

なので、分子は1です。続いて分母を求めましょう。分母は「1. 3. 5. 7. ・・・」の数列の1000番目の数なので、

第N項=初めの数+公差×(N-1)
=1+2×(1000-1)
=1+2×999
=1+1998
=1999

よって答えは

1
1999

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