中学受験に必要な算数の基本テクニックを紹介しています。中学受験算数の独特な解法は、小学校では教わらない「裏技」的なものが多いので注意が必要です。
例題を使って、コツやポイントを押さえながら、なるべく丁寧な解説を心がけました。皆さまの理解の手助けとなれば嬉しいです。

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流水算の解き方を解説。川の流れの速さを足すか引くかにだけ気をつければ流水算は超簡単!

流水算とは

水が流れている所を船が進んでいる問題を、流水算といいます。たいそうな名前はついていますが、考え方は単純でわかりやすいです。 流れに逆らって進むときは、川の流れのぶん船は遅くなりますし、流れに沿って進むときは、川の流れのぶん船は速くなります。 川の流れの速さにだけ気をつければ、普通の速さの計算問題ととらえて大丈夫です。

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流水算の解き方

川を上るときは、船の速さ=静水時の速さ-川の流れの速さ

川を下るときは、船の速さ=静水時の速さ+川の流れの速さ

このことだけに気をつけて解きましょう。

(例題1)静水時に時速15kmで進む船が、川を36km上るのに3時間かかりました。 川の流れの速さは、時速何kmでしょう。

速さの問題なので、とりあえず「みはじ」の図をどこかに書いておきましょう。

まずは状況を整理します。

それでは、「みはじ」を使って、実際にこの船が川を上った速さを出してみましょう。

道のり÷時間=速さ
36km÷3時間=時速12km

静水時に時速15kmだった船が、実際には時速12kmしか出ていなかったのは、川の流れに逆らって進んだからです。 つまり、この遅くなったぶんが川の流れによってさまたげられたぶんの速さです。よって川の流れの速さは、

時速15km-時速12km=時速3km

答えは

時速3km

川の流れに逆らって遅くなっているのか、川の流れに助けられて速くなっているのか、船が川を進んでいく様子が頭の中で想像できていれば、普通の速さの計算問題と同じです。

(例題2)ある船が川を8840m上るのに34分、下るのに26分かかりました。 この船の静水時の速さと、川の流れの速さは分速何mでしょう。

速さの問題なので、とりあえず「みはじ」の図をどこかに書いておきましょう。

まずは状況を整理します。

川を上るときも下るときも、道のりと時間が出ているので、「みはじ」を使って速さを出してみます。

道のり÷時間=速さ
上り:8840m÷34分=分速260m
下り:8840m÷26分=分速340m

つまり、静水時より川の流れの速さのぶん遅くなった状態で分速260m、静水時より川の流れの速さのぶん速くなった状態で分速340mです。 この状況を線分図で表してみます。

図のように、静水時の船の速さは、上りのときの速さと下りのときの速さのちょうど間ということになります。よって静水時の速さは、

(分速260m+分速340m)÷2=分速300m

また、川の流れの速さは、

静水時の速さ-上りの時の速さ
分速300m-分速260m=分速40m

よって答えは

静水時の船の速さ…分速300m
川の流れの速さ…分速40m

他にも、途中で船のエンジンが壊れてしまう問題とかもありますが、状況をしっかりと頭の中に描けていれば難しいことはありません。それでは流水算をまとめます。

まとめ

流水算を解く時は

  1. 問題用紙の端っこに「みはじ」の図を書く。
  2. 静水時よりも、川の流れの速さのぶん速くなっているのか、遅くなっているのかを考える。
  3. 「みはじ」を使って計算する。

以上、船でした。ここで一旦速さの問題は終わりです。次はお仕事です。

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