中学受験に必要な算数の基本テクニックを紹介しています。中学受験算数の独特な解法は、小学校では教わらない「裏技」的なものが多いので注意が必要です。
例題を使って、コツやポイントを押さえながら、なるべく丁寧な解説を心がけました。皆さまの理解の手助けとなれば嬉しいです。

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体積と比

水の容積と底面積と深さの比

容器の中に入っている水などの体積を「容積」といいます。
柱の容器に入れた水の容積が同じならば、底面の面積と深さは逆比になるという法則があります。

柱の容器に入っている水の容積が同じ時
底面の面積の比=a:bならば、
深さの比=b:a

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(例題1)

同じ体積の水を円柱の容器Aと容器Bに入れると、容器Aは深さが8cmに、容器Bは深さが12cmになりました。 容器Aと容器Bの底面の面積の比は何対何でしょう。

容器に入っている水の体積は同じなので、底面の面積と深さは逆比になります。
今回は深さの比=8cm:12cmなので、

底面の面積の比=12:8
=3:2

よって答えは

3:2

底面積の比と深さの比で、容積の比を求める

柱の体積の公式を使って、そのまま容積の比を求めることができます。

柱の体積=底面の面積×高さ
容積の比=底面の面積の比×高さの比

(例題2)

上の図の円柱の容器Aと容器Bは、底面の面積の比が2:3です。 2つの容器に水を入れると、水の深さはそれぞれ5cmと4cmになりました。 容器Aに入っている水の体積と容器Bに入っている水の体積の比は何対何でしょう。

「容積の比=底面の面積の比×高さの比」なので、容器Aと容器Bに入っている水の体積の比は、

(②×5cm):(③×4cm)=10:12
=5:6

よって答えは

5:6

同じ深さにする容積の問題の解き方

容積の比は、いろいろな問題で活用できます。特によく問われるのは、いくつかの容器の水の深さを同じにする問題です。

(例題3)

上の図の容器A、容器B、容器Cは直方体で、底面の面積の比は2:3:5です。 容器Aと容器Bに水を入れると、深さはそれぞれ5cmと4cmになりました。 この水をいくらか容器Cに移して、3つの容器に入っている水の深さをすべて同じにします。深さは何cmになるでしょう。

実際の底面の面積がいくつなのかわからないのですが、ここでは比の数字をそのまま使って、それぞれ②、③、⑤としてしまいます
体積の求め方は「底面積×高さ」なので、これを使って水の体積を求めていきます。

容器A
②×5cm=10

容器B
③×4cm=12

101222

よって、水の体積は全部で22です。
底面の本当の面積がわかっていないので、22という数字は本当の体積ではありません。なので□で囲っておきました。単位も書きません。
続けてこの水を容器Cに移すわけなのですが、「水を移す」と考えるよりも、「3つの容器を合体させる」と考えた方がわかりやすいと思います。 というわけで、合体させてみます。

合体させると底面の面積は、

②+③+⑤=⑩

水の体積は先ほど22と求めたので、

水の深さ=水の体積÷底面の面積
22÷⑩
=2.2

よって答えは

2.2cm

このように、本当の面積や、本当の長さでなくても、比の数字を使って体積の公式にあてはめることができます。 この考え方は速さや面積など、いろいろな場面で使うことができるのですが、使ってもいいのかダメなのかの判断が少し難しいので、まずはこの「深さを同じにする問題」をたくさん解いて、感覚をつかんでおきましょう。
それでは体積と比をまとめます。

まとめ

体積と比の関係

  1. 柱の容器に入れた水の容積が同じならば、底面の面積と深さは逆比になる。
  2. 容積の比=底面の面積の比×高さの比
  3. 本当の長さや面積や体積がわからなくても、比の数字を使って計算してもよい。

次は容器を傾けてみます。

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