中学受験に必要な算数の基本テクニックを紹介しています。中学受験算数の独特な解法は、小学校では教わらない「裏技」的なものが多いので注意が必要です。
例題を使って、コツやポイントを押さえながら、なるべく丁寧な解説を心がけました。皆さまの理解の手助けとなれば嬉しいです。

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相似比と面積比、体積比

相似比と面積比と体積比の関係

相似比とは、辺の長さの比でした。それでは面積や体積の比はどうなるのでしょうか。

相似比がa:bのとき
面積比=(a×a):(b×b)
体積比=(a×a×a):(b×b×b)

例えば長方形の面積は「たて×横」なので、たての長さも横の長さも2倍になれば「2倍×2倍」になるという理屈です。
同じように考えて、例えば直方体の体積は「たて×横×高さ」なので、たての長さも横の長さも高さも2倍になれば「2倍×2倍×2倍」になるという理屈です。

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相似比から面積比と体積比を求める

では、実際にどんな計算をするのか、例題を解いてみましょう。

(例題1)

上の図の直線DEと直線BCは平行です。 AD=4cm、DB=2cm、三角形ADEの面積が8cm²のとき、台形DBCEの面積は何cm²でしょう。
DEとBCは平行なので、見ての通りのトンガリです。(トンガリについてはこちら

三角形ADEと三角形ABCは相似で、相似比は、

AD:AB=4cm:6cm
=2:3

相似比が2:3なので、三角形ADEと三角形ABCの面積比は

(2×2):(3×3)=4:9

この面積比をもとにして比例式を作ると、

4:9=8cm²:a
4×a=72
a=18
比例式の解き方

これで、三角形ABCの面積が18cm²であることがわかりました。

求めたい台形DBCEの面積はの面積は、

三角形ABC-三角形ADE=18cm²-8cm²
=10cm²

よって答えは

10cm²

注意する点は2つです。トンガリの相似比を間違えないことと、比例式で出した三角形ABCの面積をそのまま答えに書いてしまわないことです。 「この計算で何が求められて、今自分は何を求めたいのか」をいつも考えながら、焦らずに解いてください。

(例題2)

上の図の直方体Bは、直方体Aの全ての辺の長さを2倍にしたものです。 直方体Aの体積が100cm³のとき、直方体Bの体積は何cm³でしょう。

直方体Aと直方体Bの辺の長さの比(相似比)は1:2です。よってふたつの直方体の体積比は、

(1×1×1):(2×2×2)=1:8

この体積比をもとにして比例式を作ると、

1:8=100cm³:a
a=800

これで、立方体Bの体積が800cm³であることがわかりました。
よって答えは

800cm³

「2を3回かけるから6だな!」というミスをやらかしやすいです。「そんなわけないじゃん。」って思うかもしれませんが、実際に問題を解いていると結構やらかします。 式をしっかり書くのが一番の予防策ですが、全ての式を書いているわけにもいかない時もあるので、何度かやらかして覚えましょう。 「あ、またやらかしてしまった!」って思った時が、一番効き目があります。
それでは、相似比と面積比、体積比をまとめます。

まとめ
  1. 辺の長さの比(相似比)がa:bのとき
    面積比=(a×a):(b×b)
    体積比=(a×a×a):(b×b×b)
  2. 同じ数字を2回かけたり、3回かけたりするときに計算をミスらないように気をつける。
  3. 最後まで気を抜かない。

次は地図の話です。

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